インクを作ってもらった話~趣味に使うお金の効果~
先日、セーラーのインク工房に参加させていただきました。インクブレンダーさんが、個人のリクエストを聴いて色を調合してくれるイベントです。気になっていたものの人気イベントだけに抽選に外れたり、当選してもコロナで中止になったり。今回、コロナ対策もされているということで恐る恐る参加してきました。
定番インクでいいんだけど
老舗ブランドの定番インクのすごさに気づいてから、新興ブランドのインクを買い集めるのをやめました。滲みやすかったり、可視性低かったり、目新しさで買ったもののトータルで満足するものに出会う確率がかなり低いと思ったからです。なのになぜこのイベントに参加したのかとういうと、抽象的なイメージを1つの色で表現する、イメージの共用と具体化の工程にすごく興味があったからです。卒論は色の表す感情でしたしね。
この欲求を満たすオーダーは?
写真をみせて「この色を再現してください」とオーダーする人も多いそうです。ペットの毛の色、好きな場所の空の色など。またミルクティ色など、完全一致ではないけれどお互いに思い浮かべるものが近いオーダーの仕方もあります。私は、あいまいなもの、として単語の持つイメージを色で表してもらうことにしました。
ブレンダーさんの前に座ると、「さてどうしましょう?」と聞かれました。そこで「英語のencourageという単語を色にしていただきたいです」とオーダー。ブレンダーさん、ちょっとお困りな様子。そこで「元気づけるとか、背中を押すとか、そいういう意味の単語です。書いて読んで前向きになれるような色をお願いします」と付け加え。「読めないくらい薄い色は嫌です」というのは伝えました。元気づけるための色で薄い色ができるとは思っていませんでしたが、念のため。
こんなシートも用意されています。
色味のすり合わせ
ブレンダーさんが「オレンジベースがいいかと思うのですが」と提案くださったので同意。方向性が決まり、色味のすり合わせが始まります。各色の分量を考えてメモ、調合しては確認する作業を数回。「これでどうでしょう」と筆につけて渡された色は、なかなか想像に近い色でした。その色をみて「深み(おちつき)のある色ではなく、もう少しぱあっと前にでる色ががいいです」とさらに抽象的なリクエストを付け加えると、また数字を書きながらの作業。そして試してみてねと渡された色は「ああ、Encouragingだな」と思える色でした。出来上がったインクをなみなみと瓶に入れ、「Encourage」と名前を書いたラベルをペタッ。再度オーダーできるように配合を書いた紙もいただきました。ここまでで16分。早っ!最後にインクのお値段を払っておしまいです。お値段3000円(税込3300円)このサイズのセーラーインクの通常価格が2000円なので、イベント代1000円というところでしょうか。
一滴で印象が変わる。
顧客のスライクゾーンにあてるのは
技術とセンスと経験のなせる技
書いてみた
帰宅してさっそく小瓶に入れ、使ってみました。書いている途中は朱色っぽいけど、乾くとちゃんとオレンジ。薄さは皆無。パキッとした色が進もうという強い意志や覚悟をしめしているような、弱っていたら負けそうな、強い色。好き嫌いあるかもですが、私は好き。この色は白いプレピーに入れたい!と思いつき、筆を買ってきたのにコンバーターを買い忘れました(涙)次に文房具屋にいくまではガラスペンだけで使います。
額じゃない。趣味で使うお金の効果
お金のブログでこれを書こうと思った理由は、お金の使い道が精神衛生に強く影響するいい例だと思ったからです。3月と4月、子供の高校入学、父の三回忌のお布施や粗供養、固定資産税などでものすごくお金を使いました。10万単位のお金が何度も出ていきます。逆にこの時期、忙しかったこともあって自分のためにお金を使うことが全くありませんでした。出さないといけないお金ばかりが嵩むのってすごいストレスなのですね。「こんなに頑張ってるのにーーー!キィーーーー!!」ってなりました。
そこで、バランスをとるべくまずはインクイベントに3300円。ランチ3-4回分の額ですが効果は抜群。イベントは楽しかったし、たった1時間半でもちょっとおめかしして(万年筆のイベントとおもうと平服ではいけなかった・・・)お出かけする時間が嬉しかった~。マイナス100くらいだったダメージがマイナス30くらいになったかな。
まだマイナス状態なので勢いで、カルチャーセンターでのクッキー缶作りに申し込んでみました。あいにくキャンセル待ち1番だったけど順番回ってくるといいな。それでプラスに戻したら、また支出に備えて仕事がんばろ。